読書が好きな子には、もちろん名作などもどんどん読んでもらいたいのですが、世界名作全集のような本だけが、生き方に悩んだ子供の役にたつわけではないと思います。たとえば、ライトノベルやマンガの方が、子供にとってリアリティがある場合もあります。複雑さや困難がつきまとう現実社会を生き抜くとき、大人社会の理不尽さなども描かれたマンガの方が共感できる場合が多いかもしれません。質の良い作品なら、ライトノベルやマンガを読書の入り口として選ぶのも一つの手段です。大事なのは、本と子供の距離が縮まることです。好きなものを本人が選んでもいいし、保護者が読ませたい本をすすめてもいいでしょう。
本を選ぶ時のポイントとして、みんなが読んでいる本というのも目安になると思います。コミュニケーションツールとして、人気のある本から選んで読むというのも読書の楽しさを体験するにはよいと考えます。そもそも、読書習慣に関しては、家庭の中で保護者自身が本を読む環境を作っているかどうかがとても重要です。こどもが本を読まないと悩む前に、保護者が家庭で本を読むように努力してみてはいかがですか。
豊かな人生を歩むためにも読解力が必要な時代になります。人の気持ちを感じ取るのが読解力です。これからの時代は、自分と異なる文化や価値観の中で生きている多様な人たちへの共感力が求められるようになるでしょう。そんな中でカギとなるのが、他者の心を理解できる読解力です。